佐野航大の「6点」が気になった――CLポルト0-1PSV、3試合フル出場の雑感
CL第3節、敵地ポルトでPSVがつかんだ1-0。佐野航大は開幕から3試合続けてフル出場した。57分のティルの得点から、ゴール前で体を張った終盤まで。前節7点、今節6点という同じ現地媒体の採点と、その数字に添えられた言葉を手がかりに、中盤の90分で気になったことをたどる。
PSVが今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で初勝利。うれしい朝でした! でも、オランダのサッカーメディア、VoetbalPrimeurが試合後に選手一人ひとりに付ける点数を見ると、佐野航大は6点。私は少しだけ物足りなく感じてしまいました。添えられた言葉を読んでみると、6点から受けた印象が少し変わったんです。
日本時間10月21日、PSVはCLのリーグ戦第3節で敵地のポルトに1-0で勝利。佐野は最後までプレーし、PSVのフース・ティルが57分に決めた1点が決勝点になりました。
勝った試合なら高い点がついていてほしい、とつい期待してしまうんですよね。ただ、数字だけでは評価の中身まで分かりません。まずは先制点と、その後も続いた1点差の攻防から振り返りたいです。
57分のティル、その後も続いた1点差
先制した後も終盤まで危ない場面が続き、PSVが1点を守り切った勝利でした。佐野は、中盤で守備を支え、攻撃もつなぐボランチとして先発しました。(日刊スポーツ)
現地時間10月20日、舞台はポルトのエスタディオ・ド・ドラゴン。この勝利で、PSVの今大会の成績は1勝1分1敗になりました。(UEFA日程・結果、会場情報)
57分の得点には、その直前からの流れがありました。まず、PSVのバイラクタレヴィッチのシュートがポストに当たります。その後、同じバイラクタレヴィッチがゴール前へ折り返すと、ボールはスフェン・マイナンスを経てティルへ。ゴールの遠い側のポスト際で押し込み、先制しました。(NOS)
ただ、そこからも落ち着ける展開ではありませんでした。終盤にはGKコヴァーシュが相手のシュートを止め、ヘールトライダはゴールライン付近で胸を使って阻止。さらに、コヴァーシュが飛び出した後の無人のゴールを、デストが戻って守る場面もありました。(NOS)
1-0という結果だけなら、もう少し落ち着いた試合を想像してしまいます。でも、この危うさを知ると、勝てたうれしさの隣に冷や冷やする気持ちも残ります。私はゴール前で防いだ選手たちに目が行く一方、佐野がその時間どこを埋めていたのかも気になりました。では、佐野の90分を現地はどう受け止めたのでしょうか。
6点の寸評には、ボール扱いと運動量への評価もあった
VoetbalPrimeurの6点には、ボールを扱う安定感や運動量への評価と、存在感への物足りなさが一緒に書かれていました。私が数字から受けた印象よりも、評価の中身には幅があったんです。
Sano was betrouwbaar aan de bal (訳)佐野はボールを持ったときに信頼できた。
— VoetbalPrimeur(2026年10月20日)
「信頼できた」という言葉があったのは、ちょっとうれしかったです。私は6点から控えめな評価を想像していたので、ボールを持ったときの安定感を認める言葉に、はっとしました。
寸評では、多くの距離を走ったことにも触れています。その一方で、最後にはこんな一文がありました。
Zijn stempel drukte hij niet echt. (訳)自身の存在感を強く示すまでには至らなかった。
— VoetbalPrimeur(2026年10月20日)
この言葉には、もっと試合を動かす佐野への私の期待も重なります。安定してボールをつなぐことを喜びながら、その先の一手を待つ気持ちにもなりました。
なお、Goalに掲載されたVoetbalzoneの採点も佐野は6点でした。ただし、佐野個人への説明は付いていません。同じ点数でも、評価した理由まで同じかどうかは分かりません。私が今回立ち止まったのは、VoetbalPrimeurが添えた「信頼できた」という言葉でした。
前節7点、今節6点――勝敗と採点は別々に受け止めたい
勝利の喜びと、選手一人の働きを見つめる気持ちを対比したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。
敗れたライプツィヒ戦で7点、勝ったポルト戦で6点。同じVoetbalPrimeurの採点でも、勝敗と個人への評価は別々に動いていました。
前節は現地時間2026年10月13日、PSVが敵地でライプツィヒに0-1で敗れた試合です。(UEFA日程・結果)同日掲載のVoetbalPrimeurは佐野を7点とし、中盤からPSVの攻撃を動かす働きを評価していました。
対するポルト戦は1-0の勝利で、同媒体の採点は6点。この二つを比べているのであって、現地の評価全体が下がったという話ではありません。
応援していると、勝った日のうれしさが、一人ひとりのプレーへの印象にも重なってしまいます。私も、試合が終わったときの気分を、そのまま選手の評価に持ち込んでいるところがあるのかもしれません。今回の点数の並びは、そこに少しブレーキをかけてくれました。
前節は攻撃を動かす働き、今節はボールを扱う安定感。二つの寸評を読むと、目を向けているところが違うように私は感じます。ただ、採点した人が何を重く見て1点差を付けたのか、その理由までは分かりません。
7点と6点の差だけで、佐野の成長や後退まで測ることはできないと感じます。
3試合のフル出場から、次は受けた後の一歩を見たい
私は次に、佐野が受けたボールをどう前へつなぐのかに注目しています。
佐野は開幕から3試合続けて最後までプレーしました。(ゲキサカ配信記事、日刊スポーツ)欧州の舞台でこうして経験を重ねていることが、ファンとしてはまずうれしいんです。
見るところは、三つに絞りました。まず、ボールが届く前に周りを見る動きです。どちらへ顔を向け、何を見てから受けるのかが気になります。次に、受けた後で前を向く判断。そして、味方へパスを出すのか、自分でボールを運ぶのかという選択です。受ける準備から次の選択までを一続きで見られたら、わくわくしそうです。
PSVの次のCLは、現地時間11月4日、ホームでのクラブ・ブルッヘ戦です。(UEFA日程)
初勝利を喜びながら、次はボールが佐野に届く、その少し前から目で追いたいです。次のクラブ・ブルッヘ戦が、今から楽しみです。