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急きょ先発の西村拓真が3得点――清水対町田0-5、「常に準備していた」が響く夜

10月21日、IAIスタジアム日本平での清水戦。ウォーミングアップ中の変更で巡ってきた出番に、西村拓真はどう応えたのか。スローインから背後へ抜けた62分と、2度のこぼれ球を仕留めた77分、82分。清水の退場があった順序や、試合後に本人が口にした言葉にも目を向ける。

夜のスタジアムで、無地の青いユニフォームを着た選手が右足でボールを蹴ろうとする後ろ姿のイラスト。
イラスト: OpenAI

急きょ先発した町田の西村拓真が、82分にはハットトリック。1試合で3得点なんて、思わず「えっ、3点も?」と声が出ちゃった。そこに至る3つのゴールと、試合後の本人の言葉をたどってみたい。

試合前の準備運動中に、同じ町田のイェンギにアクシデントがあり、西村が代わって先発することになった。日刊スポーツ

10月21日のJ1第11節、清水対町田は0-5。西村は62分、77分、82分にゴールを決めた。町田公式

20分の間に3点。その華やかさにわくわくする一方で、出番が巡ってくるまでに、どんな準備を重ねていたのだろう。そちらにも興味が湧いてきた。

35分のネタ・ラヴィ、50分の小川航基――西村の前に生まれた2点

私が面白いと思ったのは、町田が2-0にするまでの攻め方の違いだ。ネタ・ラヴィと小川航基が、それぞれ別の形でゴールを決めた。

会場はIAIスタジアム日本平。19時03分に始まった試合で、町田は前半に1点、後半に4点を挙げた。その最初のゴールが、35分のネタ・ラヴィだった。Jリーグ公式、町田公式

相馬勇紀が横からゴール前へ送ったボールは、清水の選手に阻まれた。それでも、こぼれたボールをネタ・ラヴィが拾い、ペナルティーエリアというゴール前の大きな四角い区域の外から、右足でシュート。これが先制点になった。ゲキサカ

最初のボールが通らなくても、まだチャンスは続いている。私は、はね返された後のボールを拾ったところが気になった。この「こぼれた先」は、西村の得点を振り返るときにも目を向けたいところだ。

1-0で迎えた後半、50分の追加点は、相手の攻撃から素早く攻め返した場面で生まれた。明本考浩がボールを運び、前へ走り込む小川航基へパス。小川がエリア内で受け、右足でゴールへ流し込んだ。ゲキサカ

こぼれ球を拾って決めた1点目と、運ぶ動きからパスがつながった2点目。同じゴールでも、そこまでの道筋が違うのが楽しい。

62分、77分、82分――3本の右足と、途中で変わった人数

相手の守備の後ろへ抜ける動きと、こぼれ球への反応。西村の3得点で私の心に残ったのは、この2つだった。得点の間に清水の選手が退場し、途中で人数の条件も変わっている。

まずは62分。ボールを手で投げ入れて再開するスローインの流れから、西村が相手の守備の後ろへ抜け、右足でゴールへ流し込んだ。これで町田は3-0とした。日刊スポーツ

スローインから、こんなふうに得点へつながるのが面白い。ボールを投げる選手の先で、相手の背後へ進んだ西村の動きに、私は目を引かれた。

その直後の63分、清水の松崎快が2枚目のイエローカード(警告)を受けて退場した。ここからは清水が10人となり、町田が1人多い状態で試合が進んだ。西村の残る2点は、この後に生まれている。ゲキサカ

77分は、ピッチの角から蹴り入れるコーナーキックの後だった。西村がこぼれ球に素早く反応し、右足でこの日2点目。そして82分にも、ゴール正面でこぼれたボールを拾い、右足で蹴り込んだ。日刊スポーツ

町田が1人多かったという条件を踏まえても、こぼれたボールを見逃さず、2回ともゴールにした反応には驚いた。77分も、82分も、目の前に来た機会を得点に変えてくれたのが、私はうれしかった。

この3点で、西村個人にもクラブにも、J1リーグ戦初のハットトリックという記録が残った。Jリーグ公式

3本の右足が、両方の「初めて」につながったのも胸が弾む。

「常に準備していた」――3得点の後に聞くと、重みが違う

ピッチから光が差し込むロッカールームで、木のベンチに畳まれた青いユニフォームと、その下に揃えられたスパイク。 出番に備えて整えられた用具で、準備する気持ちを表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。

急な先発を振り返って心に残ったのは、西村が、最初から試合に出るつもりで準備していたと話していることだった。私は3得点の華やかさから、その出番を迎える前の時間にも気持ちが向いた。

常に準備していたし、自分がスタートで出るという気持ちを常に持っている

— 西村拓真(FC町田ゼルビア)、日刊スポーツ(2026年10月21日)

私なら、直前に予定が変わったら、気持ちが追いつかなくなりそうだ。だからこそ、自分が出るつもりでいる、という言葉にぐっときた。呼ばれる前からそんなふうに考えておくのは、言うほど簡単ではなさそう。3点を決めた後に聞くと、短い言葉なのに重みを感じる。

西村は同じ記事で、チーム内の競争が自分の成長につながっているとも話している。日刊スポーツ

競争と聞くと、私はまず、出場できるかどうかの緊張を想像してしまう。そこを成長につながるものとして話しているところにも、はっとした。出番を待つ時間にも、自分にできることがある。私はそんなふうに受け取った。

3本のシュートを決めたことへの喜びに、出番までの向き合い方への尊敬も加わった。この日の西村を思い返すときは、ゴールと一緒に、この言葉も覚えておきたい。

首位に戻った町田、24日の神戸戦ではボールの行方をもう一歩追いたい

町田が首位に戻ってくれて、うれしい! 次は、勝点で4の差がある神戸との一戦だ。

第11節を終えた町田は、8勝2引き分け1敗、勝点26で首位。30得点はリーグで最も多く、失点は10だった。Jリーグ公式順位表

次節は10月24日15時、ノエビアスタジアム神戸での神戸対町田。第11節終了時点で神戸は4位、勝点22。Jリーグ公式・試合情報、公式順位表

神戸戦では、スローインから前へ動く選手を追ってみたい。横からゴール前へ送ったボールや、シュートがはね返されたときには、その近くで誰が反応するのかも気になる。ボールだけを追っていると見落としてしまいそうな動きに、私も気づけるだろうか。

24日の午後が、今から楽しみだ。

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