運営者の雑感

代表4戦4得点の上田綺世、公式戦復帰を待つ南野拓実――リール対ル・アーヴル、モナコ対トゥールーズ展望

28分、こぼれ球を左足で仕留めた上田綺世は、5日後にリールの一員としてル・アーヴル戦へ。19分にシュートを放ち57分で交代した南野拓実のモナコは、トゥールーズと対戦します。現地10月10日、17時15分と20時45分に続く二試合で、どんな場面が次につながるのでしょうか。

夕暮れのスタジアムで、異なる色の道を進む二人の名も背番号もない選手が、同じピッチの先へ向かうイラスト
イラスト: OpenAI

10月5日の国立競技場で、28分に左足で先制した上田綺世。二日前の10月3日には、南野拓実がモナコの親善試合で57分間プレーしていました。次の公式戦はフランス現地時間で同じ10月10日。でも、二人の時計はまったく違う速さで進んでいるように感じます。

上田はニュージーランドとのキリンカップ決勝に先発。日本は32分にベン・オールドの得点で追いつかれましたが、71分に堂安律が勝ち越し点を決め、2-1で優勝しました。上田は78分に交代。今回の代表活動では4試合で4得点を挙げ、大会MVPにも選ばれています。

一方の南野は、ピサに2-0で勝った親善試合に先発し、長いリハビリを経て一つの出場時間を積んだところです。片方は代表で得点を重ねた直後、もう片方は試合に戻る段階を一歩進んだところ。先の結果を急いで決めつけず、10月10日へ向かう二人の現在地を一つずつ見ていくところから始めます。

4戦4得点から5日、上田綺世はル・アーヴル戦へ

私がル・アーヴル戦で見たいのは、上田綺世が次の得点を挙げるかどうかだけではありません。代表で4試合を戦ったばかりの上田が、短い準備時間の中でリールの攻撃へどう戻っていくのか。そこが、この試合でいちばん気になるところです。

リールは現地時間10月10日17時15分、フランス1部リーグの第6節でル・アーヴルを迎えます。会場は本拠地のデカトロン・アレナ=スタッド・ピエール=モーロワ。日本時間では11日0時15分の開始です。キリンカップ決勝から日付では5日後で、試合の間に空く日は4日しかありません。

それでも、上田はまっさらな状態でリールへ戻るわけではありません。10月8日時点で、加入後の公式戦は4試合3得点。フランス1部では3試合2得点、チャンピオンズリーグでは1試合1得点を記録しています。すでにクラブでも結果を残したうえで、代表での4試合を終えました。

Nous recherchions un attaquant complet et capable d'apporter de la présence dans la surface adverse, ainsi que de l’expérience et des qualités complémentaires aux profils déjà présents dans notre effectif. (訳)私たちは、相手ペナルティーエリア内で存在感を出せる万能型のストライカーを探していました。さらに、いまのチームにいる選手たちを補う経験と持ち味も求めていました。

— Olivier Létang(LOSC会長)、LOSC(2026年8月31日)

「万能型」という言葉からも、求められているのは得点だけではないと感じます。ゴール前で相手に警戒させながら、味方に足りない持ち味を補うことまで含まれているのでしょう。代表での数字が目立つ今だからこそ、ボールを受ける前の動きや、周りの選手との関わりにも注目です。

先発か途中出場かは、発表されるまで分かりません。移動を挟んだ短い時間で代表からクラブへ気持ちを切り替え、リールの流れへ入り直す。最初にボールへ触れる前、上田はどこに立ち、どんな動きから試合へ入るのでしょうか。

南野拓実、286日ぶりの57分から公式戦のピッチを待つ

スパイクやトレーニング器具が置かれたロッカールームから、明るいピッチへ足跡が続くイラスト 長いリハビリから試合へ一段ずつ戻る過程を、ロッカールームからピッチへ続く足跡で表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。

南野拓実は、すでに公式戦の登録メンバー、つまり試合に出られる選手の一覧へ戻っています。ただ、復帰後の公式戦出場はまだ確認できません。だから私は、ピサとの親善試合で過ごした57分を、長い道の途中にある大切な一段として見ています。

始まりは2025年12月21日のオセール戦でした。南野は左膝を負傷し、翌日の検査で前十字靱帯断裂という大けがが判明しました。それから8カ月余りが過ぎた2026年9月3日、モナコは南野がPSG戦の登録メンバーへ戻ったと発表。9月18日のRCランス戦でもベンチに入りましたが、出場はありませんでした。

負傷から286日後の10月3日、南野はピサとの親善試合に先発しました。19分にシュートを放ち、57分にアニス・スベイルと交代。まず試合の中で体を動かし、まとまった時間を過ごせたことが、今の南野にとって大きな出来事だったと感じます。

モナコを率いるフィリペ・ルイス監督は、南野ら復帰途中の選手に一人ひとりに合わせた練習計画を組んでいると説明したうえで、こう話しています。

L’objectif étant d’affronter Toulouse avec le même niveau athlétique pour tout le monde. (訳)目標は、全員が同じように試合を戦える体の状態でトゥールーズ戦に臨むことだ。

— フィリペ・ルイス(ASモナコ監督)、ASモナコ(2026年9月25日)

「全員が同じ水準で」という言葉に、私は少し安心しました。南野だけを急がせるのではなく、チームの中で試合を戦える状態へ整えていく。ピサ戦の57分も、華やかな到達点というより、その過程に置かれた大切な一段に見えます。

モナコ対トゥールーズは現地時間10月10日20時45分、日本時間11日3時45分にスタッド・ルイ・ドゥで行われます。10月8日時点では登録メンバーも南野の出場も未発表です。もちろん、南野が公式戦のピッチへ戻る姿を早く見たい気持ちはあります。でも、何分出てほしいとこちらから急かすことはしたくありません。メンバー入り、親善試合での先発と57分、そして公式戦出場。その順番を崩さず、戻る日を待ちます。

17時15分、20時45分、その先に10月25日

第6節はリール対ル・アーヴルから始まり、3時間半後にモナコ対トゥールーズが続きます。第5節終了時点では、モナコが4勝1分の勝点13で首位、リールが3勝1分1敗の勝点10で4位。順位から次の結果を決めつけるのではなく、まずは上田が先発か途中出場か、南野が登録メンバーに入るかを順番に見ます。同じ夜に二人がそれぞれどの段階から始めるのかが、私のいちばんの関心です。

その後は第7節を挟み、10月25日15時にスタッド・ルイ・ドゥでモナコとリールが対戦します。二人がともに出場するかはまだ分かりませんが、第7節終了時点の勝点差、上田がリールで重ねた出場時間、南野が公式戦のピッチへ戻っているかを確認してから迎えれば、カードの見え方も変わりそうです。そこまでの一試合ずつを追えることが、今は素直に楽しみです。

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