首位・町田、7試合19得点の驚き。「守るチーム」だけでは語れないJ1序盤戦
2026/27シーズンのJ1は第7節終了時点で町田が5勝2分の首位。19得点6失点という並び、1人少ない終盤に追いついた横浜F・マリノス戦、先発9人を替えて臨んだACL Two初戦。9月20日の柏との上位対決を前に、今季の町田で何が変わったのかを探ります。
2026/27シーズンのJ1は第7節まで終わりました。順位表のいちばん上にいるのはFC町田ゼルビア。5勝2分、勝点17、19得点6失点です。
町田と聞くと、まず堅さや球際の強さを思い浮かべる人が多いかもしれません。私もそうでした。でも今季序盤の数字を見て最初に声が出たのは、6失点より19得点のほう。首位という結果以上に、「こんなに点を取る町田」をどう受け止めようかと、ちょっとわくわくしています。
7試合19得点。序盤から見えた攻撃の厚み
守る印象と得点へ向かう勢いを対比したイメージ。AI生成イラスト(特定の試合場面ではありません)。
町田は開幕のFC東京戦に5-1、続く千葉戦に4-0で勝ちました。その後も浦和戦3-1、水戸戦1-1、川崎F戦2-1、名古屋戦3-1、横浜F・マリノス戦1-1。7試合すべてで得点し、うち5試合は複数得点です。
第7節終了時点で19得点は、サンフレッチェ広島と並ぶリーグ最多。序盤の2試合で大きく伸ばした数字ではあるけれど、その後も無得点の試合がないところに頼もしさを感じます。
見ていて印象に残るのは、ひとつの形にきれいに収まりすぎないことです。競り合いの次に誰が触るか、ボールがこぼれた瞬間に何人が前へ出るか。整った崩しだけを待たず、少しざらついた局面も得点へつなげていく。そのたくましさが、今季はスコアに濃く表れているように見えます。
横浜F・マリノス戦の1-1が残したもの
9月12日の横浜F・マリノス戦は、町田の序盤を考えるうえで忘れにくい一戦でした。12分、松村晃助のコーナーキックに谷村海那が頭で合わせ、横浜FMが先制。町田は81分に明本考浩が2枚目の警告で退場しましたが、その3分後、望月ヘンリー海輝のゴールで追いつきました。
苦しい流れの中で、人数が少なくなった直後に生まれた同点弾。私はあの場面に、派手な19得点とは別の強さを感じました。うまく進まない夜にも、目の前の一球へ飛び込んで勝点を残す。こういう試合があるから、順位表の数字に体温が宿るんですよね。
この試合のボール支配率は、横浜FMが61%で町田が39%でした。数字だけ見れば、持たれる時間を受け入れるいつもの町田です。それでも7試合で19得点が積み上がっているわけで、持たない時間に何を準備しているのかを見たくなります。ひとつのイメージで決めつけず、相手や展開で表情がどう変わるのかを追うのが、今季の楽しみになってきました。
先制した谷村は横浜FMのFWで、開幕7試合6得点。9月17日に発表された日本代表へ初めて選ばれています。注目が集まるストライカーに先手を取られた試合で、町田がどう立て直したかという見方でも、味わい深い90分でした。
先発9人変更でも、ACL Twoは2-0
横浜FM戦から5日後の9月17日、町田はホームの町田市立陸上競技場で、カンボジアのPKRスヴァイリエンとACL Twoの初戦を戦いました。
先発は横浜FM戦から9人変更。それでも20分にミッチェル デューク、61分にテテ イェンギが決め、2-0で勝ちました。リーグ戦とは顔ぶれを大きく替えながら、2得点と無失点で終えたのは明るい材料です。
黒田剛監督は試合後、「日頃なかなか出場機会のなかった選手たちが、いかに奮起し、クリーンシートで勝利を勝ち取るかが焦点だった」「誰が出てもまずはベースを貫くという意味では、選手たちも奮起、奮闘してくれた」と話していました。大きく入れ替えて、それでも2-0。この言葉と結果を並べて見ていると、過密日程をただ耐えるのではなく、出場機会をチーム全体の厚みに変えようとしているように感じます。
首位でも、すぐ後ろは近い
第7節終了時点では、町田の勝点17に対して、2位のヴィッセル神戸が16、3位の柏レイソルが15、広島とFC東京が14。首位から5位まで3ポイント差です。
町田は9月20日17時から、町田GIONスタジアムで柏と対戦します。町田はACL Two、柏はACL Eliteを戦った直後で迎える上位対決。試合間隔が短い中で、どの選手がピッチに立ち、互いの強みをどう出すのか。順位以上に、そこが気になります。
まだ7試合です。それでも町田の19得点は、「今季の町田を以前の印象だけで見ないで」と伝えてくる数字に思えます。守る強さと、点を取り切る力。その両方がこれからどんなバランスになっていくのか、次の90分もじっくり見届けたいです。