前田大然、21分のプレミア初ゴール――マンC対イプスウィッチ3-2、速さの先に見えた強さ
2026年10月17日のマンチェスター・シティ対イプスウィッチ。失点直後の21分、前田大然がグエイの背後へ走り、ドンナルンマと向き合った。出場7試合目の初ゴールには、どんな配置が関わっていたのか。右シャドーでの起用と、試合後にオニール監督が語った狙いに目を向ける。
イプスウィッチがマンチェスター・シティに先制された直後の21分。前田大然が相手の守備の背後へ抜け、シティの守備の選手グエイと競りながらゴールへ。FOOTBALL ZONE プレミアリーグ初ゴール、うれしい!
現地2026年10月17日、エティハド・スタジアムで行われたプレミアリーグ第7節。イプスウィッチはシティに2-3で敗れました。フォーデンが19分に先制し、前田が21分に同点に戻しています。マンC公式
勝ちと一緒に喜べたらもっとよかったな、という悔しさは正直あります。それでも、私の目が向いたのは、抜け出した後の競り合いと、走り出した位置でした。得点までの数秒を、この二つからたどってみたいです。
21分、抜け出した後の競り合いに目が留まった
私がひかれたのは、追ってきたグエイと競った後にも、前田がシュートへ進めたところです。抜け出す速さに、ゴールまでやり切る強さが重なった1点だったと感じます。
前田は、シティの守備の選手たちの後ろへ出たパスに走り込みました。そこへグエイが追ってきます。マンC公式も、前田が背後へのパスを追い、グエイとの競り合いを振り切って得点したと記しています。マンC公式
競り合いでは、前田がグエイへ先に体を当てて抜け出しました。そして、ゴールを守るドンナルンマとの1対1を左足で決めています。FOOTBALL ZONE
パスに走り込むところでは、前田の速さにわくわくしました。グエイに体を当てた場面では少し力が入り、ドンナルンマと向き合って左足で決めたところで、ようやくほっとしました。競り合いの直後の1対1でも、慌てずに足を振れていたように見えたのが頼もしかったです。
グエイのプレーを振り返ったDave Sportの講評にも、こんな一節がありました。
Maeda escaped his attention and held him off for the equaliser (訳)前田は彼のマークから逃れ、相手を抑えて同点ゴールを決めた
— Dave Sport(2026年10月17日)
相手を抑えて決めた、というところにうなずきました。私にとっても、あの競り合いが、この得点のうれしさを大きくしてくれました。
見返していて気になったのが、前田がどこから走り出したのかです。ゴールへ向かう強さを感じたからこそ、その力を出せる立ち位置にも目を向けたくなりました。
右シャドーで、いつもより少し高い位置へ
高い位置の受け手とパスの出し手のつながりを表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。
前田をいつもより相手ゴールに近い位置に置き、前に出てくるシティの守備の後ろを、前田とエメルソンの速さで狙う。イプスウィッチのオニール監督は、チームがボールを持つときの起用の狙いを、試合後にそう説明していました。TWTD
この日のイプスウィッチは、ゴールキーパーを除いて後ろから3人、4人、2人、1人と並ぶ3-4-2-1。前田は、いちばん前のエメルソンの少し後ろに、エンシソと2人で並びました。その右側を担当する「右シャドー」です。TWTD、日刊スポーツ
得点場面について監督は、シティのオライリーがウアタラへ寄せたところで、ウアタラから前田の走り込む空間へパスが入ったと振り返っています。TWTD
その得点を振り返る発言には、前田へのこんな評価もありました。
he uses his speed and physicality and a good finish. (訳)彼は自分の速さと体の強さを生かし、うまく仕上げた。
— ガリー・オニール(イプスウィッチ監督)、TWTD(2026年10月17日)
監督が速さを挙げていて、やっぱりあの空いた場所を狙っていたんだ!と納得しました。オライリーがウアタラへ寄せたところから、その後ろへパスが届く流れに、受け手と出し手の呼吸が合う気持ちよさを感じます。
7試合目の初ゴール、その前にも出番は続いていた
初ゴールは、プレミアリーグ出場7試合目に生まれました。先発と途中出場を重ねてきた道のりを知ると、この1点をもう少し長く喜んでいたくなります。FOOTBALL ZONE
前田は2026年夏に、セルティックからイプスウィッチへ移籍しました。開幕から3試合は先発し、第4・5節は試合の途中から出場しています。FOOTBALL ZONE
第6節のフラム戦で先発に戻り、今回のシティ戦でも最初からピッチに立ちました。プレミアリーグ公式、TWTD、FOOTBALL ZONE
このゴールで、前田は日本人では14人目のプレミアリーグ得点者になったと報じられています。FOOTBALL ZONE
私も新しいリーグでのゴールを待っていたので、途中出場が続いたころは少しもどかしかったです。だから、この1点で日本人得点者の記録に前田の名前が加わったことも、じわじわとうれしく感じます。
2-3の悔しさを残して、次もパスの先を追いたい
初ゴールを勝点につなげられなかったのは、やっぱり悔しいです。それでも私にとっては、次に前田へどんなパスが届くのか、楽しみが増えた一戦でした。
前田の同点ゴールの後、シティは34分と69分にハーランドが得点。イプスウィッチも90分に、ジアン・フレミングがゴールキーパーと向き合って蹴るPK(ペナルティーキック)を決め、1点差に迫りました。ただ、同点には届かず、2-3で試合を終えています。マンC公式
前田は71分にアブドゥル・ファタウと交代し、ピッチを離れました。マンC公式
次は、パスが出る前から前田の位置を追ってみたいと思います。どこから走り始め、味方がどの瞬間にボールを出すのか。相手が追ってきたときにどう競るのか。ボールを持っている選手と前田を、行ったり来たりしながら見るのも楽しそうです。
10月17日は、前田のプレミア初ゴールの日として覚えておきたいです。また味方と呼吸が合って、パスの先へ走っていく姿を見られたらうれしいな。そんな気持ちで、次の出場を待っています。