運営者の雑感

中村敬斗の2アシスト、鎌田大地の81分――ELリヨン対パレス3-2、左サイドに目を奪われた夜

42分の惜しさは、45+1分の得点でどう変わったのか。ELリヨン対クリスタル・パレスは3-2。中村敬斗のクロスと76分のシュート、81分の鎌田大地、最後のセーブまで続いた緊張。現地メディアの「突破力」という言葉も手がかりに、点差とともに揺れた気持ちをたどる。

夕暮れのピッチで、白いユニフォームの選手がボールを運び、紺色の選手が追う後ろ姿のイラスト。
イラスト: OpenAI

左からゴール前へ送ったクロスと、自分で打ったシュート。中村敬斗の2アシストは、違う形から生まれました。同じ「アシスト」に残ったこの2本を、私はもう少しじっくり振り返りたくなりました。

現地10月15日、ヨーロッパリーグ(EL)第2節。リヨンはホームのグルパマ・スタジアムでクリスタル・パレスに3-2で勝ちました。リヨン公式

フル出場した中村は2アシスト。パレス公式、Lyonfoot 相手のパレスでは鎌田大地も途中出場しました。UEFA出場記録 2人を同じ試合で追える楽しみもある一戦でした。

42分の好機から45+1分へ、中村の左が気になった

42分に届かなかったものが、45+1分に形になったように感じました。相手に止められた好機のあと、リヨンのカリス・メラとの連係から中村の左のクロスが得点につながる。前半のうちにもう一度、ゴール前までつながったところに引き込まれました。

リヨンは8分、コーナーキックのボールがパレスのジェイディー・キャンヴォットに当たってこぼれたところを、コランタン・トリソが押し込んで先制していました。パレス公式

そのリードで迎えた42分。中村が左で相手のクリス・リチャーズをかわし、ゴール前にいたリヨンのアーネスト・ヌアマへ折り返します。ヌアマはシュートまで持ち込みましたが、キャンヴォットに止められ、得点にはなりませんでした。パレス公式

相手をかわした先で、味方がシュートを打つところまでつながる。その流れにわくわくしたぶん、止められた瞬間は「ああ、惜しい」ともどかしくなりました。

そして45+1分。メラが軽く触ってつないだボールから、中村が左へ抜けてクロスを送り、今度はヌアマが決めて2-0にしました。パレス公式、Lyonfoot、リヨン公式

さっき届かなかった喜びが、前半のうちに返ってきたようでうれしかったです。メラから中村、そしてヌアマへとボールが渡るたびに視線を動かし、最後は思わず声が出ました。

76分、今度は中村が打ってシュルツにつながった

1本目は左からのクロスでしたが、2本目は中村自身のシュートから生まれました。リヨンのパベル・シュルツがひと触りして、ボールの行き先が変わる。その得点へのつながり方に、私は驚きました。

後半に入って50分、パレスはコーナーキックを短いパスで始めます。タイリック・ミッチェル、アダム・ウォートンとつなぎ、最後はジェレミ・ピノが決めて2-1にしました。パレス公式

2-0で迎えた後半が、早い時間に1点差。まだリヨンがリードしているのに、私は落ち着かなくなりました。前半の2点目を喜んでいた気分のままでは、見ていられません。

シュルツが途中出場したのは70分。その6分後の76分、中村のシュートに触れてコースを変え、リヨンの3点目を決めました。UEFA出場記録、リヨン公式

入るかな、とボールを目で追っていた次の瞬間には、もうゴールでした。「決まった!」とうれしくなるのと、今のボールはどう入ったんだろうと考えるのが、ほとんど同時でした。

ゴールが決まってからも、私はボールの動きを頭の中でたどっていました。

「突破力」という言葉で、見方が少し広がった

サッカー場と複数の道筋が描かれた蛇腹の紙を両手で広げ、手前に小さなボールを置いたイラスト。 プレーを見る視野が広がる気持ちを表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。

現地の「突破力」という評価を読んで、私の見方が少し広がりました。相手をかわす技術に加えて、追い上げられた試合でもゴールへ向かう姿勢が、あらためて心に残ったんです。

フランスのHomme du Matchは中村に8点を付け、同記事で試合の最優秀選手に選びました。Homme du Match 地元メディアのLyonfootにも、こんな評価がありました。

… Keito Nakamura fait des différences par sa percussion et ses dribbles. (訳)…中村敬斗は、突破力とドリブルで違いを生み出している。

— Lyonfoot(2026年10月15日)

「percussion」という言葉を、私は前へ向かう強さとして受け取りました。相手へ仕掛けた前半の姿を思い出すうちに、後半に自分でシュートを打った場面にも、同じ積極性があったように感じました。

パレスに1点差まで迫られた試合です。点差に気を取られていた私には、相手ゴールへ向かうプレーを見せてくれたことが頼もしく映りました。評価の言葉を読んだことで、得点の結果から、そのときに選んだプレーへと目が向いた気がします。

81分の鎌田で、最後まで目が離せなくなった

鎌田大地の得点で再び1点差になってからは、最後まで気を抜けませんでした。中村の活躍を喜ぶ気持ちに、鎌田の次のプレーも見たい気持ちが重なった終盤でした。

パレスの鎌田は62分、イスマイラ・サールに代わって出場しました。UEFA出場記録

そして81分。パレスのアナン・ハライリが右から送ったクロスをリヨンが処理しきれず、こぼれたボールを鎌田が決めて3-2としました。パレス公式

76分に3-1になったときは少しほっとしていたのに、5分後にはまた背筋が伸びました。ゴール前のボールを鎌田が得点に変えたのは、素直にうれしいです。でも、あと1点で同点だと思うとハラハラする。喜んでいいのか、試合の行方を心配すればいいのか、一瞬分からなくなりました。

90分には、パレスのクリス・リチャーズが頭で合わせたシュートを、リヨンのゴールキーパー、ドミニク・グライフが防ぎました。試合はそのまま3-2で終わり、リヨンが勝ちました。パレス公式

あの最後のシュートとセーブまで、息をのむ展開でした。中村のリヨンが逃げ切ったことには、ほっとしました。一方、鎌田にとっては、自分が決めてもチームの勝利には届かない終わり方でした。その得点を勝ちにつなげられなかったもどかしさも、私には残りました。

中村が左で相手に向かう場面も、鎌田がゴール前へ入ってくる場面も、また見たいです。次にボールが渡ったら、どんなプレーを見せてくれるだろう。2人それぞれを追いかけたい気持ちで、私はこの試合を見終えました。

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