南野拓実、298日ぶりの公式戦でつないだ2得点――CSKAソフィア対モナコ1-2雑感
南野拓実がCSKAソフィア戦で298日ぶりに公式戦へ。3分と43分の得点につながるパスを送り、58分に交代した。モナコが敵地で2-1と勝った夜、得点の場面以外で監督が挙げた働きとは。身体の状態とプレーの感覚について語った本人の言葉にも、耳を傾けたい。
298日ぶりの公式戦で、開始3分から先制点につながるプレー。南野拓実の公式戦の復帰戦は、思わず「もう?」と声が出るような始まりでした。
現地時間10月15日、南野はCSKAソフィア戦に先発しました。ヨーロッパのクラブが戦う大会、カンファレンスリーグの最初の段階(リーグフェーズ)の1試合目です。速攻でボールをつなぎ、チームメイトのパリス・ブルンナーの先制点につながりました。モナコは敵地で2-1と勝っています。クラブ公式
ピッチに立つ姿を想像して待っていたら、もうゴールの流れに名前がある。仲間と得点をつくる姿まで見られたことが、私はうれしかったです。攻撃に加えて、仲間を助けた働きや本人の言葉も一緒に、公式戦復帰の58分間をたどっていきたいなと思います。
ピサ戦の57分から、公式戦の先発へ
ピサとの親善試合でプレーに戻り、今度は公式戦の先発へ。先発メンバーに名前を見つけたときは、いよいよここまで来たんだ、と背筋が伸びました。
長い離脱の始まりは、2025年12月21日のフランス杯オセール戦でした。南野は先発しましたが、36分にけがで交代。翌22日、クラブは左膝の関節を支える大事なすじ(前十字靱帯)が切れていたと発表しました。競技へ戻るまでに長く時間がかかるけがです。復帰を待つ時間は、そこから続いていました。当日の試合記録・クラブの発表・けがの解説
そして迎えた2026年10月3日、ピサとの親善試合。南野は先発し、57分に交代しました。モナコは2-0で勝利。私が何よりほっとしたのは、試合の中でプレーする南野の姿に、また会えたことでした。現地メディアの試合記録
その先にあったのが、今回のソフィア戦です。親善試合での復帰を経て、公式戦ではオセール戦以来、298日ぶりの出場になりました。サッカーダイジェストWeb配信記事
親善試合で戻った姿を見届けて、今度は公式戦で最初から相手と競い合う。出場を待っていた時間が、少しずつプレーを楽しむ時間に変わっていくのを感じます。
3分と43分、ゴールへ届くまでの南野
私の心に残ったのは、南野のパスが仲間へ渡り、2つの得点までつながったことです。ゴールを決めた選手と一緒に、その手前でボールを渡した南野の姿も思い返したくなりました。
3分の先制点は、相手のコーナーキックからモナコが素早く攻め返した場面でした。南野がボールを受けて落ち着かせ、前へつなぎました。その攻撃の最後に、パリス・ブルンナーがゴールを決めました。クラブ公式の試合レポート
まだ始まったばかりなのに、もうこんな場面を見られるんだ。公式戦への復帰を落ち着いて見守りたいと思っていた私は、さっそく胸が弾んでしまいました。長く待っていたぶん、気持ちを整える前に喜びが飛び込んできたようでした。
43分の追加点では、南野が前方のブルンナーへボールを送りました。受けたブルンナーがアンス・ファティへ最後のパスを出し、ファティが決めてモナコの2点目に。攻撃の経路・クラブ公式の得点記録
南野自身が決める場面も見たいです。今回は、仲間を前へ送り出すパスにわくわくしました。「この先はどうなる?」と、シュートに至る前から目が離せなくなるんです。次に南野のプレーを見るときは、渡したボールの行き先まで、今までより少し長く目で追いたくなりました。
テゼを助けた働きにも、復帰の手触り
南野が公式戦に戻った試合で監督が挙げたのは、テゼを助けた働きでした。得点へつながるパスに目が向いていた私は、そのプレーも評価されていたことが意外で、なんだか誇らしくなりました。
フィリペ・ルイス監督は試合後、復帰した選手たちにもチーム全体のためにプレーすることを求め、この試合でその働きが見られたと話しました。具体例として挙げたのが、南野がペナルティーエリア(ゴール前の大きな四角い範囲)まで、チームメイトのジョルダン・テゼを助けたことです。テゼは守備の選手なので、守りで戻った場面なのかなと私は受け取りました。復帰した選手たちについては、こう語っています。
Ils seront de mieux en mieux en continuant d’accumuler des minutes. (訳)出場時間を重ねていけば、彼らはさらに良くなっていくでしょう。
— フィリペ・ルイス監督、AS Monaco公式(2026年10月15日)
私はこの言葉で、肩の力が抜けました。南野だけに向けた発言ではありませんが、出場時間を重ねながら良くなっていく、その過程を見ている言葉として受け止めました。
ボールを持っていないとき、誰のそばへ動いて助けているのか。次の試合では、南野とテゼの距離や、互いが動いたときの立ち位置に注目してみたいです。
58分の交代、その先を急がず楽しみに
次のプレーを待つ気持ちを、スパイクとピッチへ続く光で表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。
負傷前の感覚は、まだ戻り切っていない。それでも、南野が公式戦に戻った試合は、次のプレーが待ち遠しくなる夜でした。
南野は58分にアレクサンドル・ゴロビンと交代しました。試合後には、身体の状態は良いと話す一方で、けがをする前の感覚はまだ戻っていないと説明しています。クラブ公式出場記録・本人のコメント
2つの得点につながったパスは頼もしくて、私は「もうここまでできるんだ」と胸が熱くなりました。だから、本人にはまだ以前との違いがあると知って、少し驚きました。その喜びだけで、もう元どおりだと決めてしまうのは早いんですよね。本人の言葉だからこそ、急がずに受け止めたいなと思いました。
試合全体では、モナコは前半を2-0で終え、76分に1点を返されましたが、2-1で勝利しました。1点差に迫られてからはハラハラしたけれど、最後まで守り切ってくれて胸をなで下ろしました。復帰した選手たちを迎えた一戦を、勝利で締めくくれたことに、思わず笑顔になりました。クラブ公式試合記録
仲間へどんなパスを送り、守る場面ではどこまで戻るのか。今回見せてくれたプレーを思い浮かべると、またボールを追う南野に会えるのが楽しみです。