運営者の雑感

神谷千菜、6分にPKを呼び20分に3戦連発――なでしこ対チャイニーズ・タイペイ4-0雑感

なでしこジャパンのアジア大会グループE最終戦、エコパスタジアムで迎えたチャイニーズ・タイペイ戦。立ち上がりに動いたスコア、後半頭の4枚替えで変わった空気、代表デビューの2人が残した場面。20得点0失点という数字の外側に、どんな時間が流れていたのかを振り返ります。

夕暮れのスタジアムで中央の選手が左からのクロスに頭で合わせるイラスト
イラスト: OpenAI

4-0というスコアだけを見ると、ずっと軽やかに攻め続けた夜を想像します。でも、私の中に残ったのは、派手さよりも「早い時間に扉を開け、交代後も温度を落とさなかった」ことでした。

9月21日、エコパスタジアムで行われたアジア大会グループE最終戦。なでしこジャパンはチャイニーズ・タイペイに4-0で勝ち、3試合20得点0失点の首位でグループステージを終えました。

6分の働きかけと、20分のヘディング

最初のきっかけをつくったのは神谷千菜でした。6分、ペナルティーエリア右で相手選手に倒され、PKを獲得。宝田沙織が決めて先制します。20分には中嶋淑乃の左からのクロスに神谷が頭で合わせ、3試合連続のゴールになりました。

神谷の得点はもちろんうれしい。でも私は、PKの場面とセットで覚えておきたいです。ボールが来るのを待つのではなく、エリアの右へ自分から入っていって、相手と体がぶつかる位置まで進んだように見えました。ゴールの前から、もう得点へ向かう仕事は始まっていたのかもしれません。

35分には、代表デビューのGK福田史織が相手GKのロングフィードに素早く飛び出してクリア。攻める時間が長い試合で訪れた一度の判断に、静かな緊張感がありました。

4人が替わっても、試合の温度は切れなかった

ベンチから明るいピッチへ、複数の選手が順番につながるように歩いていくイラスト 交代を通じて登録選手全員がピッチにつながっていく様子のイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。 後半開始から4人が入り、生田七彩が代表デビュー。これで今大会の登録全選手がピッチに立ちました。51分には浜田芽来のシュートが阻まれたこぼれ球を上野真実が押し込み、58分には塩越柚歩のクロスに生田が右足で合わせます。初出場の選手が、その日に初得点までたどり着く。見ているこちらまで頬がゆるむ場面でした。

大きくメンバーが替わると、パスの間や立ち位置が少しずれることもあります。この日は後半早々に2点が加わりました。交代が「休ませる時間」で終わらず、新しく入った選手も同じ試合を前へ動かしているように見えたことが、私は心強かったです。

台湾メディアが見た「成熟」

面對世界頂級水準、團隊傳控體系極為成熟的日本女足,中華隊從開局便承受了巨大的防線壓迫。 (訳)世界トップレベルで、チームとしてのパスとボール保持の体系が非常に成熟した日本女子代表を相手に、チャイニーズ・タイペイは立ち上がりから守備に大きな圧力を受けた。

— NOWnews今日新聞(2026年9月21日)

「成熟」という言葉にはうなずきつつ、私は完成というより、違う顔ぶれでも共通のリズムを探せていた試合、と受け取りました。前半の2点と後半の2点は、得点者も生まれ方も違います。その違いを一つの90分に収められたことが、この4-0のいちばん好きなところです。

20得点0失点でも、きれいに閉じない

タイ戦8-0、ベトナム戦8-0、そしてこの試合が4-0。数字はとてもまぶしいです。一方で狩野倫久監督は試合後、ミスやタイミング、選手間の距離に修正点があり、試合の運び方もさらに追求する必要があるという趣旨を話しました。

勝った夜に課題を並べすぎるのは少し寂しいし、数字だけで満足するのも違う。私はその間で、先制までの働きかけ、交代後の2得点、そして福田の飛び出しを覚えておきたいです。4-0は大きな結果。でも、その内側には次のプレーを少し良くできそうな余白も残っていました。そこまで含めて、気持ちのいいグループステージの締めくくりでした。

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