運営者の雑感

佐野海舟の柔らかなクロスが生んだ3点目。ボルシアMG対マインツ、7ゴールの打ち合い

追いつかれた直後の78分、右サイドから佐野海舟が送った一本が、慌ただしい試合をもう一度動かしました。マインツとボルシアMGが7ゴールを撃ち合った90分。終盤には町野修斗や板倉滉、橋岡大樹の名前も並びます。奪うだけではない佐野の姿に見入った一戦です。

照明に照らされたスタジアムで、後ろ姿の選手がファーポストへクロスを上げ、味方が競り合いながら頭で合わせようとするイラスト
イラスト: OpenAI

スコアを見ただけでも落ち着かないのに、最後まで追うともっと心が忙しくなる試合でした。現地9月19日のブンデスリーガ第4節、マインツは敵地ボルシア・パルクでボルシアMGに4-3で勝利。佐野海舟は先発してフル出場しました。

7つのゴールが飛び交った一戦で、私の中にいちばん鮮やかに残ったのは78分です。

追いつかれたあと、右から届いた一本

マインツは前半を2-1で折り返したものの、59分に追いつかれました。試合がどちらへ転ぶのか読めない時間が続き、見ているこちらも息を整える暇がありません。

迎えた78分、左で前進したナディーム・アミリから右サイドの佐野へボールが渡ります。佐野がファーポストへ送ったクロスを、途中出場のエリック・マルテルが頭で合わせて3-2。力任せではなく、味方が飛び込む場所へふわりと落とすようなボールが、慌ただしい試合の中で妙にきれいに見えました。

その後、89分にダニー・ダ・コスタが4点目。後半追加時間5分には、84分から出場した町野修斗がPKを決め、最終スコアは4-3になりました。結果的な決勝点はダ・コスタの得点です。それでも、同点に追いつかれた流れをもう一度動かした佐野のクロスには、大きな意味があったと感じます。

「奪う」の先まで見せてくれた

佐野を見るときは、相手の前進を止める場面や、こぼれ球へ素早く寄せる姿に目が向きがちです。でも、この日の3点目で見えたのは、そこからさらに前へ出て、最後の一本を届ける姿でした。

私には、守備と攻撃を別々の仕事としてこなすのではなく、その境目を自然につないでいるように見えました。7ゴールの乱戦でも、クロスの瞬間だけは佐野の周りの時間が少しゆっくり流れたようで、思わず何度も見返したくなります。

派手な打ち合いでは得点者に視線が集まります。その中で、ゴールになる一つ前の場所まで走り、丁寧にボールを届けた選手がいたこともうれしくなりました。

終盤のピッチで交差した日本人選手たち

ボルシアMGでは板倉滉が先発し、76分に橋岡大樹、84分には町野修斗がピッチへ。板倉は町野との交代でベンチに下がりました。マインツの佐野と合わせると、この試合には4人の日本人選手が出場したことになります。終盤の得点経過には佐野と町野の名前が並び、同じ試合で役割がこうして交差する光景には、やっぱり胸が高鳴ります。

佐野は、9月24日に宮城で行われるウルグアイ戦を含む日本代表活動のメンバーにも選ばれています。続くベネズエラ戦は9月28日に広島で開催予定です。

一つのアシストだけで代表での立場まで語ることはできません。ただ、追いつかれた試合で前へ関わり、得点につながるボールを届けた直後だからこそ、代表のピッチでどんな距離感で攻守をつなぐのか、いつも以上に楽しみになりました。

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