運営者の雑感

鈴木唯人、開幕4試合4得点。二度目の同点ボレーに感じた静けさ――フランクフルト対フライブルク2-2雑感

9月19日、ドイチェ・バンク・パルク。堂安律のラストパスから動き出した試合は、後半3分にもう一度ふりだしへ。ファーサイドに現れた数歩、同じピッチに立った日本にルーツを持つ5人、そしてブンデスリーガ公式が鈴木唯人に贈った一文まで、あの夜に残った手ざわりをたどります。

夕暮れのスタジアムで左からのクロスを右足ボレーで合わせる選手を描いた横長イラスト
イラスト: OpenAI

後半が始まって3分。左から届いたボールに鈴木唯人が合わせた瞬間、私は思わず「きれい」と声が出ました。勢い任せに振り回したというより、来る場所へ足をそっと置いたようなボレー。9月19日のブンデスリーガ第4節、アイントラハト・フランクフルト対SCフライブルクは2-2で終わりました。フライブルクが二度追いついた試合で、二度目の同点弾が鈴木の今季リーグ4点目です。

先制アシストの堂安、追いついた鈴木

10分、ヨナタン・ブルカルトから受けた堂安律が、ゴール前のユネス・エブヌタリブへつないで先制点をアシストしました。受けてから次へ渡すまでが滑らかで、堂安らしい気持ちよさのある一連でした。

34分にデリー・シェルハントが追いついたのに、36分にはブルカルトが決めて、またフランクフルトが前へ。追いついた安堵がほんの一瞬で消えてしまう流れは、見ているこちらも少ししんどかったです。

それでも後半開始直後の48分、シェルハントの左からのクロスを、ファーポスト側の鈴木がダイレクトボレー。そこで2-2になりました。前半のざわざわを、ひと振りで静かに整えたようなゴールでした。

「待つ」と「入る」が同居したボレー

映像を見返すと、私には鈴木が早くからゴール前で待ち構えたのではなく、クロスが上がる瞬間にファーポスト側へ現れたように見えました。守る側の視界からふっと外れ、シュートのための空間を受け取る。あの数歩に、思わず見入ってしまいました。

そして、ボールが来てから慌てて形を作った感じがありません。大きく振りかぶらず、空中のボールへ足の面を合わせる。その落ち着きがあったから、力強いのにどこか静かなゴールとして残ったのだと思います。

日本にルーツを持つ5選手がいたピッチ

この試合では、フライブルクの鈴木と、ドイツと日本にルーツを持つGKミオ・バックハウス(長田澪)、フランクフルトの堂安と小杉啓太が先発しました。小杉とバックハウスはフル出場。堂安は61分、鈴木は84分に交代し、84分には後藤啓介がイゴール・マタノヴィッチに代わって入りました。

同じピッチにこれだけ日本に縁のある選手がいると、ひとつのプレーを追っていたはずなのに、目線が何本にも枝分かれします。堂安のアシストで始まり、鈴木のゴールが追いかける展開になったことも、私にはうれしい忙しさでした。

現地が見た序盤の鈴木唯人

ブンデスリーガ公式は第4節後の特集で、鈴木をシーズン序盤のサプライズの一人として取り上げ、こう評しています。

Suzuki is another player in rich early-season scoring form. (訳)鈴木もまた、シーズン序盤から得点面で好調な選手の一人だ。

— ブンデスリーガ公式(2026年9月19日)

「rich」という言葉の温度感には、私もすごくうなずきました。ただ、突然現れたというより、フライブルクでの1年目に積み上げた時間の続きに、今の軽やかさがあるようにも感じます。驚きと積み重ね、その両方で見たい選手です。

4得点より先に思い出しそうなもの

鈴木は開幕4試合で4得点。第4節を終えた時点で、鈴木より多く得点した選手はいません。昨季のリーグ戦で記録した4得点にも、もう並びました。

数字の大きさはもちろん目を引きます。でも、この試合をあとで思い出すとき、私の頭に最初に浮かぶのは順位表ではなく、左からのボールへすっと足を合わせた姿だと思います。二度追いついた2-2。その落ち着いた一撃に、いちばん心を動かされました。

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