運営者の雑感 日本代表

9分の栗田七海、13分のCK――U-17女子W杯・日本対ザンビア5-0で心に残った連係

U-17女子W杯初戦、日本はザンビアに5-0で勝利。90+6分、中央でボールを収めた田中愛純香を、何人もの相手が取り囲む。途中出場組の働きと、白井監督が語ったフィジカルの難しさ。大差の初戦にはどんな場面が詰まっていたのか。日本時間10月22日0時のフランス戦を前に振り返る。

青いユニフォームの選手たちがパスをつなぐ姿を、後ろから描いた温かなイラスト。
イラスト: OpenAI

9分、花城恵唯が右サイドをゴール近くまで進み、中へ戻すパス。この「折り返し」に栗田七海が合わせて先制すると、私は思わず声が出て、肩の力がふっと抜けました。U-17日本女子代表、リトルなでしこの初戦は5-0。ゴールにつながったパスにも目を向けながら、この試合を振り返ります。

現地10月18日、日本時間19日0時に始まったU-17女子W杯モロッコ2026のグループD初戦。日本はザンビアに快勝し、前半に2点、後半に3点を挙げました。

ただ、白井監督は相手の体の強さに苦しんだと話しています。あの勝利には、どんな難しさがあったのでしょう。まずは、開始13分までに生まれた2点から見ていきます。

9分の折り返しと13分のCK、違う形で生まれた2点

右サイドでパスをつないだ先制点と、ピッチの角から蹴るコーナーキック(CK)で生まれた追加点。序盤の2点は形が違っていて、私はボールを届けた選手たちにも拍手したくなりました。

9分は、伊藤杏莉のパスを受けた花城恵唯が右サイドで相手に向かって仕掛け、手前へ折り返しました。栗田七海はそのボールを止めずに蹴り、ゴール左隅へ。前へ進む花城から、後ろから入ってくる栗田へとボールが渡る流れが、見ていて気持ちよかったです。栗田の一振りに「やった!」となり、そこまで運んで渡した花城のパスにも頬が緩みました。

その4分後、13分の追加点はCKから。佐藤寿音が蹴ったボールに大下紗也奈が、浮いたボールを直接蹴るボレーで合わせると、相手選手に当たってゴールへ入りました。公式記録はオウンゴールです。

浮き球をそのまま蹴りにいく大下の思い切りのよさに、私はドキッとしました。

白井監督が語った難しさと、現地媒体が見た日本

日本の連係が評価されたことにうなずきつつ、選手たちが向き合った難しさも知っておきたい。白井貞義監督と現地媒体の言葉を読んで、私はそんな気持ちになりました。

白井監督は試合後、相手の体の強さに苦しんだことに触れ、その中で5得点して勝った選手たちの頑張りをたたえています。点差を見て喜んでいた私には、少し立ち止まる言葉でした。ピッチで相手と向き合った選手たちには、こちらが結果から受け取る以上の大変さがあったのだと感じます。

ザンビアのカロル・カニェンバ監督は、自分たちの落ち着きの不足を敗因に挙げていました。そして、ザンビアのNews Diggersには、日本を評したこんな一節があります。

a well-drilled Japan side (訳)よく鍛えられた日本チーム

— News Diggers(2026年10月19日、冒頭文の一部)

この評価で思い浮かんだのは、13分の佐藤寿音のCKに大下紗也奈が合わせた場面です。後半にも、もう1本CKから点が生まれます。蹴る側と合わせる側がよく息を合わせていて、練習を重ねてきたように私には見えました。

72分のヘッド、88分のラストパス、90+6分の中央突破

後半の3得点には、途中から入った選手の働き、味方へ渡す判断、自分でボールを運んで進む力という、別々の楽しさがありました。私はゴールが決まるたびに、気になる選手が増えていきました。

まずは72分。66分に伊藤杏莉に代わって出場した清水和楽が、大田ありすのCKに頭で合わせました。大田も後半開始から入った選手です。蹴る側も、合わせる側も途中出場。そんな二人が得点につながるプレーを見せてくれたことが、うれしかったです。

88分には、角谷瑠菜のパスで抜け出した伊藤風葵が中へ折り返し、栗田七海がこの日2点目を決めました。角谷が通し、伊藤風葵が届け、栗田が決める。最後に味方へ渡す判断にも、私は目を引かれました。

FIFAがこの試合の最優秀選手、プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選んだのは伊藤風葵です。ザンビアのZamFootも、受賞した伊藤風葵を次のように評価しています。

Ito was named Player of the Match after an influential performance for the Japanese side. (訳)伊藤は日本のプレーに大きな影響を与える働きを見せ、プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

— ZamFoot(2026年10月19日)

栗田がほとんど押し込むだけで済むように見えた、あの折り返し。味方が仕上げやすいところへ届けた一手を思い出すと、私もこの評価にうなずけます。

そして90+6分。後半開始から出場していた田中愛純香が、ピッチ中央付近でこぼれたボールを収めると、何人もの相手に囲まれながらドリブルで突破し、5点目を決めました。私は「そのまま行って!」と画面の前で前のめりになりました。パスの受け渡しを見つめていた目が、今度は田中の足元から離せなくなりました。

10月22日0時のフランス戦で、もう一度見たいこと

青い木製の駒と白いボールを置き、三つの駒を金色のリボンでつないだ概念イラスト。 味方へ預け、再び前へ進むつながりを表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。

フランス戦では、ボールを持つ選手が相手に近づかれたとき、周りの味方がどこへ動くのかを見たいです。パスを受け取ってくれる選手が現れる、あの瞬間が次の楽しみになりました。

日本対フランスは、日本時間10月22日(木)0時、21日(水)の深夜に始まる予定です。会場はモロッコのラバトにあるWomen's Football Complex Pitch 2。フランスも初戦でベネズエラに2-0で勝っています。

なかなか点が入らなければ、私もそわそわしそうです。そんなときも、近くでパスを受け、もう一度前へ向かえるように助ける動きに気づけたら、ゴールを待つ時間の見方も変わりそうです。

フランス戦で角谷瑠菜に出番があれば、私はボールを受ける前の一歩から追ってみたいです。88分のパスで覚えた名前が、今度はどんな動きと結び付くのか、楽しみにしています。

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