運営者の雑感

初戦まで11日、前田御里が離脱し西ひまりを追加招集――U-17女子W杯前のスペイン合宿

本大会直前に21人の内訳が動いたU-17日本女子代表。10月8日と11日の非公開2試合では、何を確かめてモロッコへ向かうのでしょうか。初戦ザンビア戦、続くフランス戦とベネズエラ戦。その前に見つめる、アジア杯21得点無失点と決勝1-5の大きな落差。

夕日に染まるモロッコの街とスタジアムを望み、肩を寄せて歩き出す女子サッカー選手たちの後ろ姿を描いたイラスト
イラスト: OpenAI

10月6日に前田御里選手の離脱が発表され、その翌日の今日、ザンビアとの初戦まであと11日です。キックオフは10月18日、現地時間の午後3時。大会を楽しみに待つ気持ちは変わらないのに、知らせを読んだあと、私はカレンダーの日付をもう一度数え直しました。

前田選手は今、どんな気持ちでこの知らせを受け止めているのだろう。本大会目前の離脱を思うと、胸がきゅっとします。それでも10月18日は近づいてくる。楽しみと切なさが同じカレンダーに並んだ、そんな11日間の始まりです。

離脱と追加招集、その翌日の現在地

10月6日、U-17日本女子代表のDF前田御里選手が怪我のため離脱し、同じDFの西ひまり選手が加わりました。人数は21人のまま。ゴールを守るGKが3人、守備を担うDFが7人、中盤で攻守をつなぐMFが9人、前線のFWが2人という内訳も変わっていません。ただ、同じ21人という数字の内側では、一人の時間が途切れ、もう一人の準備が始まりました。

もともとの21人が発表されたのは9月25日でした。それから本大会へ向けた活動が始まり、10月6日に前田選手の離脱と西選手の追加招集が発表されました。書類の上では「DFの一枠が替わった」と整理できますが、前田選手が過ごしてきた時間と、西選手がこれから入っていく時間は、それぞれ別のものです。

西選手は、この年代の代表が初めてというわけではありません。7月3日のU-17アメリカ女子代表戦では先発し、85分まで出場しました。試合は日本が5-3で勝っています。本大会より前に代表戦のピッチを経験していると知り、私は少しだけほっとしました。

それでも、直前に呼ばれて合流する難しさまで小さくなりません。準備に使える時間は限られています。周りと合わせ、自分も整える。短い一日の中に、やることがいくつも並びます。

前田選手にはいたわりを、西選手には新しい挑戦へのエールを。二人に向ける気持ちは、きちんと別々です。

非公開のスペイン戦をどう待つか

選手たちのぼんやりした影が見える閉じた門と、手前の空のベンチ、サッカーボール、水筒を描いたイラスト 非公開の準備を想像で埋めず、静かに待つ気持ちを表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。

10月8日と11日に予定されているU-17スペイン女子代表との2試合は、どちらも非公開です。ピッチの中が見えない以上、うまくいっているとも、課題が残っているとも今は言えません。分かっている日程をたどると、チームの次の動きが見えてきます。

直前合宿は10月4日から12日までスペインで行われ、チームは13日からモロッコで活動する予定です。合宿する都市や2試合の会場、開始時刻は明らかにされていません。そして、対戦相手のスペインは、2014年のU-17女子ワールドカップ決勝で日本と向き合った国でもあります。世代は違っても、12年前と今がふっと重なる組み合わせには胸が弾みます。

本音を言えば、誰が出るのか、どんな戦い方を試すのかはやっぱり気になります。いちばん楽しみなのは、スペインとの2試合を終えた21人がモロッコで見せる表情です。その続きを知る日は、もう遠くありません。

ザンビア、フランス、ベネズエラ――三つの地域と向き合う

グループDで日本が向き合うのは、アフリカのザンビア、欧州のフランス、南米のベネズエラです。アジア杯で示した得点力と、決勝で相手の圧力に対応できなかった経験。どちらも今のチームを映す記録です。

初戦は10月18日15時、ラバトのWomen's Football Complex Pitch 2で行われるザンビア戦です。第2戦は21日のフランス戦、第3戦は現地時間24日18時のベネズエラ戦。JFAの日程ページは日本時間で表示されるため、第3戦は25日と記されています。

3チームは、それぞれ異なる地域の予選を経てきました。ザンビア、フランス、ベネズエラ。国名を追うだけでも、予選の舞台がアフリカ、欧州、南米へ切り替わります。三者三様の90分になりそうで、組み合わせ表だけでもわくわくします。

日本はアジア杯のグループステージで、レバノンに13-0、インドに3-0、オーストラリアに5-0で勝ち、3試合で21得点無失点でした。その後は韓国に1-0、オーストラリアに4-0で勝ち、決勝では朝鮮民主主義人民共和国に1-5で敗れています。

21得点無失点という数字には、思わず頬がゆるみます。でも、同じ大会の最後には1-5という結果がある。ゴールが次々に決まった3試合と、強い圧力を受けた決勝。その落差まで含めて、春の日本が残した足跡です。

5月17日の決勝後、白井貞義監督は翌18日付の東アジアサッカー連盟の記事で、苦しかった点をこう振り返っています。

“…the manner in which DPR Korea played put us under a lot of pressure and we just couldn’t cope.” (訳)「……朝鮮民主主義人民共和国の戦い方によって大きな圧力を受け、私たちは対応できませんでした」

— 白井貞義監督、東アジアサッカー連盟(2026年5月18日)

21得点無失点と、監督が対応できなかったと振り返った決勝は、同じ大会の中にあります。明るい数字だけでも、苦い敗戦だけでもない。その両方を抱えた日本が、地域の異なる3チームに何を見せるのか。ああ、初戦が待ち遠しい!

12年前の世界一から、未来のなでしこへ

2014年の世界一は、今もまぶしい記憶です。あの大会を振り返ると、U-17女子ワールドカップが優勝を争う舞台であると同時に、選手たちの長い物語の入口でもあることが見えてきます。

12年前、日本は決勝でスペインに2-0で勝ち、U-17女子ワールドカップで初優勝しました。長谷川唯選手と杉田妃和選手はともに先発。杉田選手は大会最優秀選手に贈られるゴールデンボール、長谷川選手はそれに次ぐ選手に贈られるシルバーボールを受賞しています。

17歳以下の大会で輝いた二人の名前を、12年後の今もこうして思い出せる。その時間の長さに、私はじんとします。2026年の21人にも、それぞれここからの道があります。

白井貞義監督は、組み合わせが決まった際にこう話しました。

「……自分たちのサッカーを世界の舞台で表現したいと思います。」

— 白井貞義監督、JFA(2026年5月22日)

私は、この「自分たち」という言葉が好きです。急きょ加わった西ひまり選手も、その前に前田御里選手と一緒に積み重ねた時間も、そこに含まれているように感じるからです。誰か一人の物語ではなく、ここまで関わった人たちの時間ごと世界へ向かう。そんな言葉に聞こえました。

白井監督は同じコメントで、選手が世界の基準を体感し、一人ひとりの成長を大切にしながら、将来のなでしこジャパンにつながる大会にしたいとも述べています。12年前と同じ景色だけが、この大会の価値ではありません。勝敗の先にも、一人ひとりの成長と将来へ続く道があります。

数年後、今の選手たちの名前を見つけたとき、私はきっと2026年の秋を思い出します。その長い物語の新しい一ページになるかもしれないザンビア戦が、もうすぐ始まります。

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