上田綺世の取り消しゴールと78分の交代――CLアーセナル対リール3-0、前線に残ったもどかしさ
CLアーセナル戦で、上田綺世のシュートはネットを揺らしながら得点にならず。リールが後半に3点を失った夜、前線の競り合いとゴールへの距離はどう映ったのか。現地メディアの採点と講評をたどり、78分の交代、左かかとの痛みを伝える報道、ブレスト戦を前に気になることを考えます。
ネットは揺れた。それでもスコアは0-0のまま。悔しさを飲み込めないうちに、翌日の左かかとの報道で心配も加わりました。取り消しが悔しかった一球、前線の競り合いに感じた期待、苦しかった後半。私は上田綺世の一試合を、そんな気持ちと一緒に振り返ってみます。
現地10月13日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第2節、エミレーツ・スタジアムでリールはアーセナルに0-3で敗れました。リーグフェーズは、たくさんのチームが1つの順位表で争う段階です。先発した上田は78分にオリヴィエ・ジルーと交代しています。リール公式
翌14日には、フランスのサッカーニュースサイト「Foot Mercato」が、同国のスポーツ紙レキップ(L’Équipe)の情報として左かかとの痛みを報じました。Foot Mercato
24分、押し込んだ一球が得点にならなかった
取り消しはやっぱり悔しいです。それでも、こぼれ球をゴールへ押し込んだ上田のプレーまで、なかったことにはしたくありません。得点として記録されなくても、思わず胸が弾む場面でした。
リール公式が24分の場面として記録しているのは、ナビル・ベンタレブのシュートからの流れです。シュートが相手に止められ、戻ってきたボールを上田がゴールのすぐ近くから押し込みました。ただ、攻撃側のオフサイドで得点は認められませんでした。リール公式
オフサイドは、攻撃する選手が前に出すぎた位置でプレーに関わる反則です。Foot Mercatoは、ベンタレブのシュートに触れたハーコン・ハラルドソンが、オフサイドの位置にいたことを判定の理由として説明しています。Foot Mercato
ああ、得点にはならなかったんだ、と落胆しました。でも、シュートが止められて戻ったボールへの上田の反応は、私にはとても速く感じられました。あの場面が認められていたら試合も変わったはず、とまでは言えません。
前半は、そのまま0-0で終了しました。リール公式 取り消しを惜しむ気持ちと、0-0の緊張が入り混じったまま、後半を迎えました。
64分、67分、71分――短い時間で遠のいた試合
0-0で折り返した試合が、後半の7分間で0-3に。上田のゴールを願っていた私は、だんだんリール全体の苦しさのほうを強く感じるようになりました。
64分にユリエン・ティンバーが先制すると、67分にはエベレチ・エゼ、71分にはブカヨ・サカ。アーセナルが短い時間で3点を重ねました。リール公式
リール公式も、後半の始まりからアーセナルがボールを持ち、リールのゴールへ迫る圧力を強めたと振り返っています。リール公式 私には、失点した瞬間だけでなく、それまでの時間もじわじわと息苦しく感じられました。
前半を無失点で終えたときには、少しほっとしていたんです。それが、1点を返してほしいと思っているうちに2点差、さらに3点差へ。こちらの気持ちが追いつく前に、試合が遠のいていくようでした。
ゴールを守ることに追われ、前にいる上田へボールを届ける余裕まで小さくなったように見えました。上田がシュートへ向かうには、まずチームが攻める時間を作らないといけない。その手前の難しさが、私には重たく感じられました。
0-3という結果は残念です。ただ、この点差だけで上田の一試合を片づけるのも、少し違う気がします。チーム全体が苦しんだ中で、上田自身はどんなプレーをしていたのか。
3.5点から5点まで――厳しい採点の中にあった前半の評価
競り合いからシュートへ進むまでの距離を表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。
現地の採点は厳しめでした。でも、講評まで読むと、前半の競り合いと後半の存在感を分けて見ている評価もあります。私はその両方を読んで、上田の働きと物足りなさを考えてみたくなりました。
現地10月13日公開の記事では、10点満点でLe Petit Lillois(ル・プチ・リロワ)が3.5点、Maxifoot(マキシフット)が4.5点、Foot Mercato(フットメルカート)が5点でした。
Maxifootは前半について、高いボールを相手と奪い合う場面での奮闘や、受けたボールを味方へ返すプレーを評価しています。一方、後半への言葉は短く、厳しいものでした。
Après la pause, il n'a pas existé. (訳)後半は、いないも同然だった。
— Maxifoot(2026年10月13日)
厳しいなあ、と胸が痛みます。それでも、もっとゴールに関わってほしかった私にも、後半の物足りなさは分かります。ただ、同じ記事が評価していた前半の働きも、一緒に覚えておきたいんです。
Foot Mercatoは、相手の守備の中央にいたガブリエウとコンサの間で上田が一人になりがちで、後半は攻撃につなげられるボールが届かなくなった、と分析しています。Foot Mercato
競り勝つことと、その先でシュートを打つこと。その間に、私は大きな距離を感じました。誰か一人を責めれば埋まる距離とも思えません。
78分の交代、その先はかかとの知らせを待ちたい
翌日に届いた左かかとの報道は、やはり気になります。次のゴールを楽しみにしながらも、まずは体の状態が分かる知らせを待ちたい、というのが今の私の気持ちです。
10月13日のアーセナル戦で、上田は78分にオリヴィエ・ジルーと交代しました。リール公式
その翌14日、Foot Mercatoはレキップの情報として、上田が試合中に左かかとの痛みを感じていたと報じました。チームがリールへ戻ったあと、検査を受ける予定だという内容です。この報道だけでは、痛みの程度や、その後の出場への影響までは分かりません。Foot Mercato
悔しい試合のあとだけに、次で取り返してほしい気持ちが先にありました。そこへ届いた記事を読んで、足のことが心配になったんです。リールには現地10月17日、ホームでのブレスト戦が控えています。リール公式 試合が近づいているだけに、出場できるのか気になります。
取り消されたシュートや前半の競り合いを思い返すと、やっぱりわくわくします。次にピッチへ立つときには、上田が味方へ返したボールが、ゴールの近くでもう一度上田に届く。そんな続きを見たいな、と思います。いつ出られるかばかりを気にするより、状態を見守りながら、その次の一球を楽しみに待っています。