FW登録は2人、アジア杯後の21人に新たな7人――U-17女子W杯へ向かうリトルなでしこ
FW登録の花城恵唯と樋口ららは、どちらも春のアジア杯ではMF。北島景子らを含む5人の登録位置は、世界大会でどう映るのでしょうか。非公開のスペイン戦2試合を経て、日本時間10月19日午前0時のザンビア戦へ向かう21人の変化と現在地を追います。
21人の名簿を開いて、私が最初に目を止めたのは前線の欄でした。そこに並ぶ名前だけを見て、「この人数で、どんな攻め方になるんだろう」と少し驚いたんです。でも、名前の横に書かれた位置だけで、選手の役割まで決めてしまっていいのでしょうか。
JFAは9月25日、FIFA U-17女子ワールドカップに臨むU-17日本女子代表21人を発表しました。チームはスペインで事前合宿を行ってからモロッコへ入り、グループステージの初戦でザンビアと対戦します。
ここからたどるのは、登録位置が動いた5人、アジア杯を戦った顔ぶれに加わる7人、そして初戦までの日程です。
誰が前へ出て、誰が支えるのか――21人の登録欄を読む
前へ出る選手と支える選手、既にある関係と新しく生まれる関係を表したイメージ。AI生成イラスト(実際の試合場面ではありません)。
21人はGK3人、DF7人、MF9人、FW2人。同じ所属先から複数の選手が選ばれ、春から登録位置が動いた5人もいます。人数の割り振りだけでなく、選手同士のつながりや名簿の変化まで見えてきました。
ゴールを守るGKは若月りる葉、山中実栞、加登脇心羽。前線に入るFWは花城恵唯と樋口ららです。
DFには前田御里、佐藤寿音、清水和楽、大下紗也奈、四本帆夏、伊藤杏莉、諸田彩渚。MFには岸田優花、大田ありす、角谷瑠菜、松下遥蘭、北島景子、栗田七海、伊藤風葵、田中愛純香、山路真白が並びます。
ここで目を引くのが、FWの花城と樋口はどちらも4月のアジア杯発表時にはMFだったことです。「FWは2人」という最初の驚きが、少し違って見えてきました。人数だけでなく、登録欄の境目そのものが春から動いているんですよね。
所属別では、JFAアカデミー福島から7人、日テレ・東京ヴェルディメニーナから4人、INAC神戸レオンチーナから2人が選ばれました。残る8人は、それぞれ異なる8つの所属先から集まっています。
JFAアカデミー福島の名前が7人も並んでいるのを見つけると、名簿の中に小さなつながりを見つけたようで、ちょっとうれしくなりました。普段から顔を合わせる選手同士に、各地から一人ずつ加わった選手たちが交わる。その組み合わせも、このチームの面白さになりそうです。
登録位置が動いた5人を整理すると、前田はMFからDF、北島はDFからMF、田中はFWからMF、花城と樋口はMFからFWへ移っています。
5人分を並べてみても、とりわけ心に残ったのは、今回のFW2人がそろって春はMFだったことでした。最初に感じた人数への驚きは、二人が試合に出たとき、その登録欄がどんな動きとして表れるのかを楽しみにする気持ちへ変わっています。
アジア杯の21得点と決勝1-5、そして新しい7人
春のアジア杯は、グループステージで21得点無失点、決勝で北朝鮮に1-5という大きな振れ幅のある大会でした。その大会を戦った23人から14人が今回も選ばれ、残る7枠には別の名前が並びました。
日本はグループステージ、つまり最初の総当たり3試合を全勝しました。その後も準々決勝で韓国に1-0、準決勝でオーストラリアに4-0で勝ち、無失点のまま決勝へ進みました。
ところが、5月17日の北朝鮮との決勝は1-5。日本は0-2で迎えた53分に林祐未が1点を返しましたが、その後に3点を加えられました。大会を通した成績は27得点5失点です。
21得点無失点と、最後の1-5。数字を並べるだけでも、同じ大会の中に明るさと悔しさの両方があったことが伝わってきます。53分の1点も含めて、どれか一場面だけでは収まらない春だったんですよね。
4月22日の選手変更を反映したアジア杯メンバー23人と今回の21人を比べると、両方に入ったのは14人でした。今回の21人のうち、アジア杯を戦った23人には入っていなかったのは、若月りる葉、佐藤寿音、大下紗也奈、四本帆夏、諸田彩渚、岸田優花、伊藤風葵の7人です。
このうち伊藤は、4月15日の当初発表ではMFとして選ばれていましたが、4月22日にけがのため変更となり、今回はあらためて名簿に入りました。「新しい7人」といっても、そこへ至る道のりは同じではありません。
7人が今回選ばれた理由は公表されていないため、決勝の結果と選考を結びつけることはできません。今見えているのは、春を知る14人と、さまざまな道を通って加わった7人が同じ名簿に並んだこと。これが世界大会へ向かう、今のリトルなでしこです。
スペインとの非公開2試合から、ザンビア・フランス・ベネズエラへ
日本時間では、10月19日午前0時にザンビア、22日午前0時にフランス、25日午前3時にベネズエラと対戦する日程が示されています。フランス戦の午前0時はFIFAの日程に載っている時刻で、JFAの9月25日発表では開始時刻が未定です。
その前に、スペインで2試合があります。10月8日と11日にU-17スペイン女子代表との国際親善試合が組まれていますが、どちらも観客や報道陣を入れない非公開試合で、開始時刻も発表されていません。
外から内容を確認できない2試合について、試した形や選手の出来を想像で埋めることはできません。私たちが最初に見られるのは、スペインでの時間を終えた21人がザンビアと向き合う姿です。
会場はいずれもラバトにあるWomen's Football Complexです。ザンビア戦は現地10月18日15時に第2ピッチ、フランス戦もFIFAの日程では現地21日15時に同じ第2ピッチ、ベネズエラ戦は現地24日18時に第3ピッチで行われます。
大会には24チームが出場し、4チームずつ6組に分かれて戦います。各組の上位2チームに加え、3位の中で成績が上だった4チームも、16チームで争う次のラウンドへ進みます。
午前0時が2試合、その次は午前3時。目覚まし時計と相談したくなる時間ですが、予定表に三つの日付が並ぶと、開幕が急に近づいたようでわくわくします。最初の笛は、日本時間19日午前0時です。
12年ぶりの世界一、その先のなでしこへ
2014年以来となる世界一は、この大会で目指す大きな頂です。同時に、21人が世界の相手と向き合い、自分の今の力を知り、その経験を将来のなでしこジャパンへつなげていく時間でもあります。
日本は2014年のコスタリカ大会で、FIFA U-17女子ワールドカップ初優勝を果たしました。2026年大会は第1回から数えて10大会連続の出場です。途切れることなく世界の舞台へ立ってきた歴史があるからこそ、「12年ぶりの世界一」という言葉には、やっぱり胸が高鳴ります。
白井貞義監督は組み合わせ決定時、勝利を目指すとともに、選手たちが世界の水準を実際に感じ、そこへ挑み、一人ひとりが成長することも大切にしたいという考えを示しました。そして、この大会で得た経験を将来のなでしこジャパンへつなげたいとしています。
日本時間19日午前0時に見たいのは、花城と樋口を含む登録位置が動いた5人が、出場したときに名簿の区分をどんな動きへ変えるのかです。アジア杯決勝で53分に返した1点のように、苦しい時間にも前へ進む場面があるか。世界一への道と、その先へ続く21人それぞれの成長を、同じ画面の中で受け取りたいと思います。